睡眠の質とCPAP
睡眠の質とCPAP
~呼吸と健康のコラム~
PSG(終夜睡眠ポリグラフ)検査でわかる「睡眠の質」とCPAP治療のお話し
「7時間寝ているのに疲れが取れない」
「昼間につい居眠りをしてしまう」
「朝起きた時からだるい」
このような症状がある方は、睡眠時間は十分でも、睡眠中に無呼吸が繰り返され、「睡眠の質」が低下しているのかもしれません。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査では、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)を調べることが第一の目的です。AHIはCPAP治療の適応を判断する重要な指標ですが、治療の目的はAHIを改善することだけではありません。
CPAP治療によって期待される効果には、
★ 日中の眠気の改善
★ 高血圧・心筋梗塞・脳卒中などのリスク低減
★ 集中力や生活の質(QOL)の改善
★ 睡眠の質の改善
などがあります。
簡易検査では主にAHIを評価しますが、PSG検査では「どのような睡眠をしているか」まで詳しく調べることができます。
PSG検査でわかること
① 睡眠効率
ベッドで過ごした時間のうち、実際に眠っていた割合です。
例えば8時間ベッドにいて実際の睡眠時間が6時間なら、睡眠効率は75%です。一般的には85%以上が良好とされています。
② 深い睡眠(N3睡眠)約15~25%
深い睡眠は、身体や脳の疲労回復に欠かせません。
SASでは無呼吸のたびに脳が覚醒するため、深い睡眠が減少し、十分な休息が得られなくなります。
③ レム睡眠(REM睡眠)約20~25%
夢を見る浅い睡眠として知られていますが、記憶の整理や学習、感情の安定にも重要な役割があります。
SASでは覚醒しやすい状態になるため、レム睡眠も減ります。
④ 覚醒指数(中途覚醒)
一晩の間に脳が何回覚醒したかを示す指標です。
SASでは本人が気付かないうちに何十回、重症例では何百回も脳が覚醒し、睡眠が細切れになってしまいます。
典型的なSAS患者さんのPSG検査の例
この患者さんでは、一晩に250回以上の無呼吸・低呼吸が起こり、そのたびに脳が覚醒していました。
その結果、
・朝起きても疲れが取れない
・日中の強い眠気
・集中力の低下
・血圧の上昇
といった症状がみられていました。
CPAP治療後
まで改善し、「朝すっきり起きられるようになった」と実感される患者さんも少なくありません。

睡眠は「長さ」だけでなく、「質」がとても大切です。
SASの患者さんにとってCPAP治療は、高級な寝具よりも科学的に検証された睡眠の質を改善する治療です。
いびきが大きい方、日中の眠気が強い方、朝起きても疲れが残る方は、睡眠の質が低下している可能性があります。
令和8年6月からは、一定の条件※を満たす場合、自宅でも精密検査(在宅PSG)が受けられるようになりました。
(※問診、身体所見及びその他検査などで睡眠時無呼吸症候群が疑われる方)
気になる症状がある方は、お気軽に当院までご相談ください。

京都市北区紫竹のたけむら内科・呼吸器内科クリニックでは睡眠時無呼吸症候群の診断と治療を行っています。
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