お知らせ
お知らせ
今回は呼吸器疾患から少し離れて、季節の話題にふれたいとおもいます。
暑い時期になると、「塩分チャージ!!」「水分補給をしましょう」とよく言われます。
脱水予防のために水分補給が大切なのは分かりますが、では、なぜ塩分も必要なのでしょうか。
その理由は、「汗」による塩分喪失にあります。
熱中症と塩分喪失
大量に汗をかくと、水分とともに塩分も失われます。汗1 Lあたりには食塩約1〜5 gが含まれているとされており※、例えば
程度の塩分を失うことがあります。
そのため、失った汗を「水だけ」で補うと、体内の塩分濃度が低下し、低ナトリウム血症を起こすことがあります。また、塩分には小腸での水分吸収を助ける役割もあるため、水だけを飲む場合に比べ、効率よく水分を体内に取り込むことができます。
こうして循環血液量や発汗機能が保たれることで、結果的に熱中症予防につながると考えられています。
塩分補給飲料の違い
塩分補給の方法としては、塩分チャージタブレット、スポーツドリンク、経口補水液などが考えられますが、塩分濃度にはかなり差があります。
つまり、ポカリスエットの塩分濃度はOS-1のおよそ半分程度です。また、塩分チャージタブレットでポカリスエット相当の塩分量を補おうとすると、1 Lあたり約10粒が必要な計算になります。ちなみに、点滴でよく使用される生理食塩水500 mLには約4.5 gの食塩が含まれています。
なお、「どの経口補水液が最も優れているか」については、現時点では明確な結論は出ていません。状況や発汗量に応じて使い分けることが大切です。
まとめ
熱中症対策で塩分補給が必要なのは、汗とともに失われた塩分を補い、水分吸収を助けるためです。その結果、循環や発汗機能が維持され、熱中症予防につながると考えられています。
これからの暑い季節、無理をせず、こまめな休憩と水分・塩分補給を心がけてください。
Stay Cool !!
参考文献

厚生労働省のリーフレットより
~呼吸と健康のコラム~ 喘息治療の潮流
喘息治療の中心は、現在も変わらず吸入ステロイド薬(ICS)による気道炎症を抑える治療です。気道炎症を抑えることは、喘息の原因そのものの治療であり、増悪(発作)の予防につながります。
一方、気管支拡張薬は、たとえ長時間作用型であっても、単独では「増悪」そのものを抑える効果は限定的で、あくまで「症状を和らげる」補助的な役割と考えられています。
そのため従来の喘息治療では、「症状が残る場合にはICSを高用量へ増量する」という"ステップアップ治療”が基本とされてきました。
実際、ガイドラインにも段階的に治療を強化していく体系的で”きれいな”ステップ法が示されています。

(一般社団法人日本アレルギー学会「喘息予防・管理ガイドライン2024」より)
しかし近年、喘息治療は少しずつ変化しています。現在注目されているのは、「単純に吸入ステロイドを増量する」よりも、作用機序の異なる薬剤を組み合わせて追加するという考え方です。
特に中等症以上の喘息では、ICSを高用量にしてゆくよりも、長時間作用性β₂刺激薬(LABA)や長時間作用性抗コリン薬(LAMA)を追加した、いわゆる「トリプル製剤(ICS/LABA/LAMA)」が優れていると考えられています。代表的な薬剤としては、テリルジー® や エナジア® などがあります。
実際、CAPTAIN試験やIRIDIUM試験では、単純にICSを増量する群と比較して、ICSはそのままでLAMAを併用したトリプル製剤群のほうが肺機能改善や増悪抑制に優れていることが報告されています。
日常臨床でも「ICSをステップアップしても効果が頭打ちになる」という印象があって、ステロイドへの反応の限界にさしかかると、ICS増量の効果が乏しいと感じる事が少なくありません。
さらに、難治重症喘息に対しては生物学的製剤(抗IgE抗体、抗IL-5抗体、抗IL-4/13抗体薬、抗TSLP抗体など)が広く使用されるようになってきました。
このように治療選択肢が増えたおかげで、最近の喘息診療は患者さんの病態(フェノタイプ)に応じて治療を選択する「個別化医療」の時代になってきたと考えられています。
当院でも個別、病状に応じた治療がご提案できればと考えています。

参考文献
・CAPTAIN試験:Efficacy and safety of once-daily single-inhaler triple therapy (FF/UMEC/VI) versus FF/VI in patients with inadequately controlled asthma (CAPTAIN): a double-blind, randomised, phase 3A trial. Lancet Respir Med. 2021.
・IRIDIUM試験:Once-daily, single-inhaler mometasone-indacaterol-glycopyrronium versus mometasone-indacaterol or twice-daily fluticasone-salmeterol in patients with inadequately controlled asthma (IRIDIUM): a randomised, double-blind, controlled phase 3 study. Lancet Respir Med. 2020.
京都市北山紫竹のたけむら内科・呼吸器内科クリニックでは喘息に対する吸入治療、難治重症喘息に対する生物学的製剤治療も行います。
喘息について、少しお話ししたいと思います。
まずは身近な「咳喘息」のお話と、その後に最近の治療の潮流について触れたいとおもいます。
「咳喘息」について
「咳喘息」という言葉を耳にされたことがある方も多いと思います。また、医療機関でそう診断された方も少なくないと思います。 喘息は成人の10人に1人が経験する身近な疾患です。
夜間や早朝に咳が出る、会話や運動をきっかけに咳き込む、季節の変わり目に悪化する-----このような症状は、典型的な「咳喘息」を疑う症状です。
一般的に喘息は、咳とともに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった気管の狭窄音、喘鳴(ぜんめい)や息苦しさを伴う発作があります。一方、咳喘息では、このような喘鳴や強い呼吸苦は目立たず、「咳だけ」が長く続くことが特徴です。
そのため、診察時に喘鳴が確認できれば喘息の診断はつきやすいですが、聴診所見がはっきりしない場合は咳喘息を「疑う」ことになります。私の子供も喘息持ちですが、症状は時間帯や状況によって変動し、咳とともに喘鳴があっても、落ち着くと分からなくなります。
そのため、私は患者さんには「喘息は不整脈に少し似ています」とお話しすることがあります。不整脈も、症状のない時に心電図を取っても分からないことがあります。同じように、喘息もおさまっていると分かりにくい病気です。ですが、“発作が起こりやすい状態”かを検査で知ることはできます。喘息の場合は呼気NO(FeNO)検査や呼吸機能検査などが、その「らしさ」を知る手がかりになります。
また、咳喘息は「咳だけだから大丈夫」というわけではありません。咳喘息の患者さんの約30〜40%は、経過中に典型的な喘息へ移行すると報告されています。さらに、吸入ステロイド治療によって、この移行リスクを減らせる可能性も示されています。
咳喘息の治療は、喘息と同様に吸入ステロイド薬が中心となります。単に咳を抑えるだけではなく、気道の炎症そのものを改善することで、症状の悪化や再発を防ぐことが期待されます。
2〜3週間以上咳が続く場合は咳喘息、喘息なのかもしれません。夜間・早朝に咳が強い場合は、一度ご相談ください。
少し長くなりましたので、最近の喘息治療の潮流については、次回ご紹介したいと思います。

参考文献
令和7年4月1日より、帯状疱疹ワクチンが定期予防接種の対象となっています。
令和8年度の対象者の方には、8月頃に京都市から予診票・接種券が送付される予定です。
なお、接種券がお手元に届く前でも、受診票をご記入いただくことで接種可能です。
接種をご希望の方は、ワクチン準備の都合上、1週間程度前までにご予約をお願いいたします。
対象者や自己負担額などの詳細につきましては
京都市情報館
または
高齢者帯上疱疹予防接種回覧チラシ(pdf)
をご確認ください。
チラシの方がわかりやすいと思います。
2026年6月の診療報酬改定により、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対するCPAP治療の保険適用基準が緩和されます。
これに伴い当院では、ご自宅で実施できる精密睡眠検査(ポリソムノグラフィー:PSG)の導入準備を進めています。
【精密検査(PSG)の場合】
改定前:AHI 20以上 → 改定後:AHI 15以上
改定前:原則入院 → 改定後:自宅でも可能
【簡易検査の場合】
改定前:AHI 40以上 → 改定後:AHI 30以上
※簡易検査は自宅で実施可能ですが、AHI40(改定後30)未満の場合は、CPAP適応の判断ができません。
今回の改定は、海外ではAHI15以上が一般的であるのに対し、日本ではAHI20以上とやや基準が厳しかった背景があります。
これにより、中等症(AHI15〜29)の一部の方にも治療の選択肢が広がり、いびきや日中の眠気の改善に加え、心血管イベントの予防効果が期待されます。
また、SASは運転免許更新時の告知事項でもあり、今回の改定により、潜在的な患者さんの早期発見・治療介入を促すことで安全の観点からも重要な見直しになると思われます。
これまで精密検査は機器の装着に専門的な知識や資格を要するため、入院で行われることが一般的でした。しかし近年は機器の進歩により、患者さんご自身でも装着できるほど簡便化が進んでいます。外来で精密検査を受けられると時間的・経済的負担の軽減が期待されます。
こうした点も、今回の基準緩和を実現する背景の一つと考えられます。
当院では、6月より自宅で受けられる精密PSG検査の導入を予定しています。
いびきや日中の眠気が気になる方は、お気軽にご相談ください。
参照
・当院の診療案内 睡眠時無呼吸症候群
・厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
改定の概要(個別改定項目について)〔令和8年2月13日〕
P508~在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料及び 終夜睡眠ポリグラフィーの見直し
5月1日(金)
おかげさまで開院初日を迎えることができました。
ご来院いただいた皆様、誠にありがとうございました。
今後も一人ひとりに丁寧に向き合う診療を心がけてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
関係の皆さまより、開院に際し多くの胡蝶蘭や観葉植物を頂戴いたしました。
温かいお心遣いに心より感謝申し上げます。
京都市北区
たけむら内科・呼吸器内科クリニック 院長
《診療のご案内》
5月1日(金)に開院いたします。
5月3日(日)~5月6日(水)は、ゴールデンウィークのため休診とさせていただきます。
カレンダー通りの診療となります。
何卒よろしくお願い申し上げます。
4月25日(10時-15時)内覧会を開催を行います。
健康セミナー:長引く咳 (11:00・13:00 15分程度) 場所:クリニック待合
前半はクリニックの紹介になります。
どうぞお気軽に見学にお越しください。

この度、京都市北区のたけむら内科・呼吸器内科クリニックのホームページを公開いたしました。
今後はこちらで様々な情報を発信してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
第118回日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会(1月17日(土) 梅田スカイビル)の大会長を務めました。
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