一般内科・救急疾患
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~呼吸と健康のコラム~ 肺炎球菌ワクチンのお話し
令和8年4月1日から肺炎球菌ワクチンの種類が変わりました
2026年度から、高齢者の定期接種に使用される肺炎球菌ワクチンが、長年使われてきたニューモバックス®(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)から、プレベナー20®(20価肺炎球菌結合型ワクチン)へ変更されました。
あれ?「23価から20価に減って」大丈夫なの?思われる方もおられるかもしれませんが、これは現在流行している肺炎球菌の血清型に合わせるためです。
肺炎球菌には100種類以上のタイプ(血清型)が存在し、流行する血清型は時代とともに変化します。特にワクチン接種が普及すると従来多かった血清型が減少して、それ以外の血清型(non-vaccine type)が増加することがあります。これを「血清型置換(serotype replacement)」と呼びます。
近年は、血清型8、10A、11A、12F、15B、22F、33Fなどによる感染症が問題となっており、これらに対応するためにプレベナー20®が開発されました。さらに、2025年に発売された21価肺炎球菌結合型ワクチン(キャップバックス®)も2027年度から高齢者定期接種への追加が検討されています。

感染症の世界では、人間がワクチンや治療薬によって対策を進める一方で、流行する細菌のタイプも変化していきます。まるで人間と細菌が終わりのない追いかけっこをしているような状況です。
「それなら、もっと新しいワクチンが出るまで待った方が良いのでは?」と思われるかもしれません。しかし大切なのは、将来を予測することはできませんので、現在利用できる最も有効なワクチンで予防することです。
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による菌血症や髄膜炎などの重症感染症を予防する効果が高いことが知られています(肺炎そのものを予防する効果は限定的です)。ですが、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを併用することで、肺炎そのもの発症や入院を減らす効果が期待できます(下図)。

そのため、65歳以上の方や、COPD・気管支喘息・糖尿病・心疾患などの基礎疾患をお持ちの方には、両方のワクチン接種をおすすめしています。
当院は京都市高齢者肺炎球菌定期予防接種の協力医療機関です。
接種をご希望の方は予約制で実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

参考文献
京都市情報館
Takaya Maruyama et al. Efficacy of 23-valent pneumococcal vaccine in preventing pneumonia and improving survival in nursing home residents: double blind, randomised and placebo controlled trial. BMJ. 2010.
京都市北区紫竹のたけむら内科・呼吸器内科クリニックではご高齢の患者様の日頃の健康管理、定期予防接種を行っています。
当院の感染対策(院内の換気)をご紹介します
感染対策というと、手指衛生やマスク着用、清掃・消毒を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、呼吸器感染症対策においては「換気」も非常に重要な要素です。
医療機関では一般的に、1時間あたり6~12回程度の換気(空気の入れ替え)が推奨されています。ただし、換気量を増やすだけでは十分ではありません。大切なのは、院内に空気の淀みを作らず、空気がスムーズに入れ替わる環境を整えることです。
新型コロナウイルス感染症の流行時には、急遽多くの医療機関で感染対策病床の整備が進められましたが、既存の建物を改修することの難しさがありました。
その経験を踏まえ、当院では給気口と排気口を院内の対角線上に配置し、院内の空気が奥から入口へと一方向に流れるよう設計しています。
これにより空気が滞留しにくく、効率的な換気が行われています。
実際の空気の流れは、院長が蚊取り線香の煙を用いて確認した動画をご覧ください。
煙がクリニックの奥から入口へ向かって流れていく様子がお分かりいただけると思います。
当院では感染制御活動(ICD)の経験を活かし、手指衛生・マスク着用・換気を組み合わせた感染対策を行っています。
京都市北区紫竹のたけむら内科・呼吸器内科クリニックでは発熱診療・日曜診療を行っています。
今回は呼吸器疾患から少し離れて、季節の話題にふれたいとおもいます。
暑い時期になると、「塩分チャージ!!」「水分補給をしましょう」とよく言われます。
脱水予防のために水分補給が大切なのは分かりますが、では、なぜ塩分も必要なのでしょうか。
その理由は、「汗」による塩分喪失にあります。
熱中症と塩分喪失
大量に汗をかくと、水分とともに塩分も失われます。汗1 Lあたりには食塩約1〜5 gが含まれているとされており※、例えば
程度の塩分を失うことがあります。
そのため、失った汗を「水だけ」で補うと、体内の塩分濃度が低下し、低ナトリウム血症を起こすことがあります。また、塩分には小腸での水分吸収を助ける役割もあるため、水だけを飲む場合に比べ、効率よく水分を体内に取り込むことができます。
こうして循環血液量や発汗機能が保たれることで、結果的に熱中症予防につながると考えられています。
塩分補給飲料の違い
塩分補給の方法としては、塩分チャージタブレット、スポーツドリンク、経口補水液などが考えられますが、塩分濃度にはかなり差があります。
つまり、ポカリスエットの塩分濃度はOS-1のおよそ半分程度です。また、塩分チャージタブレットでポカリスエット相当の塩分量を補おうとすると、1 Lあたり約10粒が必要な計算になります。ちなみに、点滴でよく使用される生理食塩水500 mLには約4.5 gの食塩が含まれています。
なお、「どの経口補水液が最も優れているか」については、現時点では明確な結論は出ていません。状況や発汗量に応じて使い分けることが大切です。
まとめ
熱中症対策で塩分補給が必要なのは、汗とともに失われた塩分を補い、水分吸収を助けるためです。その結果、循環や発汗機能が維持され、熱中症予防につながると考えられています。
これからの暑い季節、無理をせず、こまめな休憩と水分・塩分補給を心がけてください。
Stay Cool !!

参考文献
厚生労働省のリーフレットより

京都市北区のたけむら内科・呼吸器内科では一般内科・急病対応を行っています。
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